静岡で理学療法士として活動されている影山卓臣さんが「静岡理学療法士学会」で行った症例報告をご紹介します。
対象者:80代女性 左大腿骨転子部骨折の術後85日経過
目的:StretchPoleひめトレの高齢者姿勢改善への効果
介入方法:
1期(1週間)①骨盤前傾運動 ( 5 分間 )②椅子からの起立訓練 ③歩行訓練
2期(1週間)①StretchPoleひめトレ( 5 分間 )②椅子からの起立訓練 ③歩行訓練
StretchPoleひめトレ方法:ひめトレファイブ
結果:
1、姿勢改善がみられた
・円背の改善 ・骨盤後傾位がニュートラル方向に改善
2、椅子からの立ち上がり機能向上
3、歩行速度向上
影山先生を取材しました。
Q:今回の症例報告の経緯は?
A:過去の症例、研究を参考にしました。
それらによるとバランスが向上することや腹横筋の活性化につながる効果があることなどが明らかとなっています。私の現場は高齢者が多いので、その上で高齢者への効果を現そうと思いました。骨盤前傾を促し立ち上がりを円滑にすること、及び転倒予防を念頭に置いた上で、本研究の目的は、高齢で骨盤後傾を呈した患者に対してひめトレエクササイズによる運動の効果を検証しました。
Q:この結果はひめトレ指導をされる方が実際指導現場でどういう活用の仕方ができますか?
A:円背の方の改善がひめトレによってできる可能性があります。また、骨盤後傾の場合、モニタリングに立ち上がり動作を入れると効果が実感できやすく、モチベーションにつながります。
Q:この症例づくりから発表までの間にどんなことがありましたか?
A:嬉しかったことは、この方(対象者さん)がひめトレを自分にとって必要と感じてくださったこと。入院中に息子さんに頼んで購入してくださったんですよ。退院後自宅で使いたいと。後、夜間の尿意に対する不安が軽減されたと。
何のためにやるのかをしっかり伝え、良さを体感できれば、87歳という高齢の方であってもセルフコンディショニングにつなげられるんだな、と実感しました。
以上
人の身体には常に可能性を秘めており、それを引き出すきっかけになるひめトレ指導としてのひとつの素晴らしい症例報告でした。
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