JCCA運営委員会が取り組む「コアコン3.0」の世界とは

JCCAの未来
本記事はコアコンディショニングジャーナル2019年2月号の「コアコンシンポジウム2018特集」をもとに掲載しています。

2018年11月のコアコンシンポジウムでは、JCCAの成り立ちから振り返り、コアコンとは何かをあらためて考え、そして「コアコン3.0」と題して運営委員会が今後の取り組みを発表いたしました。その概要をご紹介させていただきます。

コアコン1.0の時代 〜コアコンディショニングの基盤の普及のスタート〜

JCCAはアスリートトレーナーであった岩崎由純会長の「あるべき姿に戻す!」の考え方を原点に誕生しました。極端にバランスの悪い身体の使い方をするアスリートたちを、元の状態に一刻も早く戻すことがトレーナーとしての大切な仕事であり、そのための100を超える自分でできるセルフトレーニングメニューを日暮清副会長と共に開発。そして、戻す→締める→動かすという、トレーニングアプローチ手順である、コアコンピラミッドの概念を吉武永賀名誉理事が考案しました。

自らトレーニングツールを使うことがあまりない選手たちが、なぜかストレッチポールの上でゴロゴロ転がるエクササイズは自主的に取り組む様子をみて、

「このゴロゴロしながらできる、気持ちいいものを中心にメニューを作ろう!」

こうして、大きな揺らぎゆらぎ運動、小さな揺らぎ運動という流れで作り上げられていき、それがベーシックセブン、ペルコン、ソラコン、リアライメントスリー、リセットスリーと今の形へ繋がっていきました。

セルフコンディショニングがスローガンになった由来

このように自分の身体を元のあるべき状態に戻し、常に痛みのない、故障しにくい身体をつくるために、自分でもできるメニューとそのやり方を作り上げようとしました。これを「セルフコンディショニング」と名付けて、日本コアコンディショニング協会を立ち上げ、普及に取り組みました。だからこそ「再現性」にこだわり、自分で一人でできるために「安全性」「簡便性」にこだわりました。

「発育発達からひも解くコア」はガイドライン

ベーシックセブン開発時から日暮副会長が「赤ちゃんの動きからのアプローチ」に着目していました。それを理学療法士の渡辺なおみ氏(現スーパーバイザー)が、歩行に必要な運動を獲得する順番の一つのガイドラインとして整理し、「発育発達から紐解くコア」というコンテンツにまとめ上げJCCAのセミナーを体系化しました。

同時に、緩める、締める、動かすをコアリラグゼ―ション、コアスタビライゼーション、コアコーディネーションというコアコンピラミッドとして完成させます。

「インプットした知識やノウハウを、何を目的に、いつ、どの順にクライアントに提供すれば、効果を発揮できるのか」に悩む多くの運動指導者に運動指導の順序性のガイドライン・指針ができました。

コアコン2.0の時代 〜マスタートレーナーの完成と指導者界への普及〜

再現性あるブロック姿勢評価

次に見えてきたのが、トップアスレティックトレーナーである、岩崎氏、日暮氏が当たり前のようにできていた、「動きの評価」「姿勢の評価」が、誰もが当たり前にはできないということでした。

「姿勢評価を再現性のあるものにしなければならない」これが新しい課題でした。

そこで、これまでの点や線での姿勢の評価から、ブロックを使って姿勢を積み木の積み上げの様に診立てる評価方法が考案され、誰にでも姿勢の歪み、骨格のズレが一目でわかる、運動指導者の姿勢評価指標の基礎ができあがりました。

ブロック姿勢評価

さらに、姿勢の評価から、姿勢改善の的確なアプローチ法を体系化。マスタープログラムがブラッシュアップされ、現在のマスター認定資格が完成されます。姿勢評価と同様に強化されたのは、クライアントのモチベーションへのアプローチ法と、クライアントの動きを引き出すコアコーディネーションプログラムです。

JCCAの指導者育成プログラムを構成する4+1の要素

マスタープログラムの確立

このマスタープログラムの完成により、日本コアコンディショニング協会は、「運動指導者が正しく姿勢(骨格の歪み)を評価し、運動指導を通しての姿勢の改善方法を教える指導者を育成できる協会」となりました。

「JCCAマスタートレーナーとは、この崇高なセルフコンディショニングの理念を実現できる人。その資格を持った人」です。

マスタートレーナーの確立と、様々な専門の指導者の知恵が合わさったことにより、一気に多くの指導者にコアコンディショニングが導入されていくこととなります。

  • 会員数3500名
  • 年間セミナー受講生6500名
  • マスタートレーナー280名
  • 認定講師200名
  • ベーシックセブン受講者累計50000名

(2018年11月時点)

この15年で日本中に姿勢改善にアプローチできるプロフェッショナルが育成され、「あるべき姿、歪みのない姿勢に戻せる」環境が整いました。

これからのコアコン3.0とは 〜一般の方へ「予防のため」のコアコンディショニング導入〜

1年ほど前のとある日、ストレッチポールのLPN社に問い合わせがはいりました。「講義」という健康研修ではなく、本当に社員が実践できる、効果的な健康のための取り組みを探していらっしゃいました。そこで、姿勢と健康、姿勢とコアコンを、ブロック姿勢写真を見せながら説明したところ、先方の担当者の方が前のめりになり、「我々が全社を挙げて取り組むべきはコアコンです。」と感動されました。

わかりやすくて、ハードルが低くて、継続性があり、変化が感じられる。これが企業がコアコンに求めた健康企業としての研修だったのです。

JCCAに集うみなさんが信じて活動してきていることが企業、自治、学校等に届きはじめている!運営委員会ではここを大きな機会として捉えました。

社会が大きく変化しています。深刻な少子高齢化、二人に一人が50歳以上、医療費の増大問題、労働人口の減少問題、医療費増加の抑制が急務、求められる健康労働寿命の延長。こうした背景を機に、想像以上のスピードで治療から予防へとシフトしようとしています。姿勢の歪みは健康も歪めていること。ここが伝わるチャンスであり、「人間が本来あるべき姿に戻す」このメッセージは、”健康に戻る”という現在最も社会に響くメッセージになり得ます。

運営委員会がコアコン3.0で取り組む施策

【方針】

  1. だれもが姿勢の歪みを認識できる。 ブロック姿勢評価の認知・普及
  2. だれもが姿勢の歪みを改善しようと思う。 ← 姿勢の歪みからくる問題の認知・教育普及
  3. だれもが姿勢の歪みの改善に取り組める。 姿勢改善マスター(マスタートレーナー)の存在の認知・普及

【具体的施策】

  1. 姿勢改善のための運動介入の効果が一目でわかるソフトウエアの開発(Pos Log)
    即時効果と、継続効果をその場で顧客と共有でき、SNSで自然にシェアを生むような手軽な記録。
  2. 健康経営企業への研修プログラムのパッケージづくり
    会員のみなさんが、手間なく簡単に提供できる企業研修ツールの配布
  3. 姿勢改善マスターと健康経営企業との橋渡し
    姿勢測定の全国実施をめざす。自分の姿勢の歪みを測定してもらうことで、姿勢について興味を持ち、予防へとつなげる一歩の機会創造。

一般の方の予防、セルフコンディショニングの世界実現、健康革命。

JCCAの理念のため、運営委員会はみなさんのお力を借りながらコアコン3.0に取り組んでまいります。

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